体脂肪を減らしたい人へ

体脂肪の増えすぎは明らかに身体に悪影響を及ぼしますが、だからといって減らせるだけ減らすのはいいことなのでしょうか。
そこで体脂肪が身体にとって必要なものであるかから考えてみると、それは間違いなく人間が生きていく上で必要なエネルギーであるといえます。
もし人間が飢餓状態に陥ったなら、身体は必死に栄養分をなくすまいとし、蓄えていくのです。
食物としての栄養分は、短時間で使われてしまうエネルギーであり、長時間存在できるものではありません。
しかし体脂肪は効率よく身体にとどまることができ、たとえしばらくの間栄養が入ってこなくても、しばらくは生存できるようになっているのです。
さらに体脂肪には、体温を維持する働きがあり、人間の身体を暑さや寒さからまもっているのです。
身体の中の臓器は、一定の温度に保たれなければならなくて、その役目をしているのが体脂肪というわけです。
あまりに体脂肪がついていない身体は、温度の変化に対応することが困難になり、それが体温を下げることになって病気をしたり、その命さえも危険にさらす、という場合もあるのです。
さらには体脂肪は、ホルモン分泌を促すという役目もあり、食欲などの調節といった働きもしてくれるのです。
このことは体脂肪が、単なるエネルギー源として蓄えられるだけでなく、生きていくために大切な働きをしているのだということを意味します。
正しい理解をすることなく、いきなりダイエットに挑戦することは、身体にとって決していいことではありません。
体脂肪は健康的な身体を維持していくためにも、全くないほうがいいわけではなく、自分の理想の体脂肪率を知った上で、常にチェックしていきましょう。

体脂肪率をチェックしよう

自分の体脂肪率を計測し、自分が今どのような状態でいるのかを知るために、まず体脂肪率をチェックする必要がありますね。
体脂肪率を測定するには方法がいくつかあり、たとえば空気置換法、水中体重測定法、皮下脂肪厚法、また二重X線呼吸法、整体インピーダンス法などがあります。
聞きなれない測定法ばかりですが、簡単に測定できる「体脂肪計」が一番です。
まず自分の体重が標準体重を超えていて、余分な脂肪が存在しているかを知るために、とにかく体脂肪率を計る前に自分の体重を調べてみましょう。
標準体重と比べた場合の数値はあくまでも目安で、体重の重さイコール肥満ではありません。
それから体脂肪率をしらべてみるのですが、全く同じ体型、たとえば身長も体重も同じである場合でも、運動をしている人とほとんどしていない人とでは、身体だの中での筋肉と脂肪の割合は変わってきます。
この体脂肪率の数値が問題なわけで、これを基にして自分が本当に太っているかどうかの判断をしなければならないでしょう。
なるべく同じ状態であるときを選んで体脂肪率を計るのが大切なことです。
たとえ体脂肪を減らすほどの体重ではない場合でも、人の身体は年齢や生活環境によって変わるものですから、その状態を維持することは大切なことでしょう。
そして、注意しなければならないのは、減らさなければならない人の急激なダイエットです。
無理をせずにダイエットをするために、まず自分の食生活や生活習慣の見直しをすることが大切です。
体脂肪率の数値を、単に太っているかやせているかを見るためだけの物とせず、それを自分が健康的な生活を送れているのかということを知る判断材料にすることの方が大切だということを、心に留めて起きたいものです。

体脂肪とメタボリックシンドローム

メタボリックシンドロームという言葉がずいぶん取り沙汰されていますが、このメタボリックは代謝を意味し、シンドロームは症候群という意味なのです。
メタボリックシンドロームというと、単に内臓脂肪が多すぎる状態をさしていると思われがちですが、これは内臓脂肪肥満症のことをいい、高血圧、高血糖、高脂血症といった生活習慣病がもたらされている状態をいうのです。
メタボリックシンドロームに陥ると、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こす元になり、実際に体脂肪率が高めの人は気を付けなければなりません。
この原因は、なんといっても運動不足や過食などの生活習慣によると言われています。
まずは余分に蓄積した体脂肪を減らすために、ウォーキングなどの有酸素運動や筋肉トレーニングなどを取り入れ、運動不足を解消し、食生活を見直すなどの生活改善が必要です。
40歳を超えると、このメタボリックシンドロームが急激に増えると言われています。
その疑いがある人を「予備群」と言いますが、食の欧米化などで、年齢に関係なく若いうちからも注意が必要だとされています。
とにかく体脂肪が増えてしまうことは、メタボリックシンドロームを引き起こす原因になっていることは間違いありません。
人間には生きていくための機能として、体脂肪を蓄積するわけで、それは人間の本能です。
人には生まれつき体脂肪がつきやすい人もいて、これは肥満遺伝子によるものなのですが、このような遺伝子を持っている人は、特に食生活を見直して改善していかなければなりません。
運動不足や過食などであまりに脂肪がたまってしまうと、身体には悪いことばかりですから、とにかくそうなる前に予防措置を忘れないようにしましょう。
メタボリックシンドロームにならないためにも体脂肪率のチェックが必要です。

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